木製からステンレスへ 使いやすさ追求のファイヤースターター誕生秘話

木製ハンドルでの試作品が行き詰まり、一度は開発の行き詰まりを経験しましたが、ユーザー視点に立ち続けた結果、現在の「ステンレス 防水カプセル ファイヤースターター」が誕生しました。製品の使い勝手を追求し、様々な裏ワザも生まれた開発の逸話をご紹介します。

失敗から得た教訓

初期の構想では、木製ハンドルにネジ加工を施し、ロッドを交換可能にする設計でした。実際にサンプルを作製し、フィールドで耐久テストを重ねましたが、やがて問題が明らかになってきます。

木製ハンドルでは十分な強度が得られず、ロッドが外れてしまう危険があったのです。さらに、水濡れ時の耐久性にも課題がありました。そこで、設計を全面的に見直すことを決断。

新たに金属製ハンドルの採用を検討することになりました。

ステンレス製ハンドル採用の理由

従来の試作からステンレスハンドル採用に転換した理由は主に3つあります。

1. 耐久性と強度が格段に向上
2. 内部を空洞化して防水カプセル機能を持たせられる
3. サイズが大型化し、手に馴染みやすくなった

特に3点目は、当初は大型化がデメリットと考えられていましたが、子供でも簡単に握れるサイズ感は、安全面やホールド感向上の観点からメリットになり得ることがわかりました。

また、ハンドル側面の溝は、木材を削ってファットウッドを作る際に役立つだけでなく、糸を括ることで簡易的な釣り竿のようにも使えます。

多彩なロッド展開でニーズに応える

ハンドル強度の向上に伴い、セットできるロッドの選択肢も広がりました。現在はヘキサ型のロッドに加え、一般的な丸棒タイプのロッドもラインナップ。

長さ120mmのロングフェロセリウムロッドは、非力な女性やお子さんでも着火に十分な火力を生み出します。また十分な太さがあり、1万回以上の火花発生が可能なため、コストパフォーマンスも抜群です。

ヘキサ型ロッドはLAGERFEUERを代表する人気商品。六角形の「面の安定性」と「角の破壊力」を環境に応じて選べるので、悪天候などの厳しい環境の中でも、しっかりと着火させることができます。

このようにロッドのタイプを豊富に揃えることで、より多くのユーザーニーズに応えられるよう心がけています。

防水カプセル内にファットウッドなどを収納可能

ステンレスハンドルを採用したことで、防水カプセル機能を実現できました。ハンドル内部は、濡れてもカプセル内部が濡れないよう設計されています。

ご家庭の薬や調味料なども収納可能ですが、アウトドア時の火起こし用に、あらかじめ麻紐やファットウッドなどの着火剤を詰め込んでおくのがおすすめです。いざという時に、すぐに火起こしの準備が整う便利な設計です。

ギア性能とコスパを両立

フェロセリウムロッドは消耗品ですが、本体ハンドルは永く使い続けられる設計となっています。ロッドのみを別売りで購入できるため、コストを抑えながらも長期間ご利用いただけます。優れたギアの性能とコストパフォーマンスを兼ね備えた、まさに経済的でサステナブルな製品と言えるでしょう。

ユーザー目線を忘れずに

このように幾度かの失敗と改良を重ねた結果、現在の「ステンレス 防水カプセル ファイヤースターター」が誕生しました。

見た目の変化以上に、使い勝手とギア性能がグレードアップしています。でも私たちは、ここにとどまることなく、さらなる改善を目指し続けます。

ユーザーの笑顔と喜びのために、いつまでもお客様目線を忘れずにいることを心がけています。これからも、グレードアップへ向けて、着実に一歩一歩、試行錯誤を重ねてまいります。